最近、映画『パルプ・フィクション』を見たという投稿をよく見かけるようになりました。
この理由のひとつにクエンティン・タランティーノ監督作品の初の4K化、UHD化されたという事が背景にあるようです。
投稿を見ていると気になるものがありました。それは、
最近パルプフィクションって言う映画を見たんですけど、途中でサブリミナルみたいに赤い画面が出てきた気がしています。
これを見たって人いますか?いたら何が映されていたのか教えてください!!
引用元:Yahoo!知恵袋
という内容のものです。
私もこの映画にハマった一人です。繰り返し見てはツイストダンスを真似て踊っていました。そのくらい見ていたからこそ「赤い画面?何それ?」と、この投稿にびっくりしました。
何回見たか分からないくらい見ている映画に、何か隠されたものがあるようでとても気になります。
そこで今回この映画のファンとして、
- サブリミナル映像
- 赤い画面
この2つのことについてお話します。私と一緒で、気になる方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
『パルプ・フィクション』とはどんな映画?
本題に入る前に映画『パルプ・フィクション』について少し触れてみましょう。
- 1994年 クエンティン・タランティーノ監督による作品
- アカデミー賞で7部門にノミネートされ、脚本賞を受賞
- カンヌ国際映画祭では最高賞のパルム・ドーム、他にもたくさんの賞を受賞
時間的な順序と異なった流れの構成で、2度3度と見たくなる中毒性のある映画だと言われています。
タランティーノ監督の作品は10作品あり、その2番目の作品でタイトルの『パルプ・フィクション』とは「低俗でくだらない話」と言う意味なのは有名な話ですよね。
普通に見ていても、おもしろい映画なのに投稿にあった「サブリミナル」「赤い画面」とは何なのか?気になります。
『パルプ・フィクション』にサブリミナル映像は使われていたのか?
サブリミナル映像とは、映像の中に視聴者に気づかれない程度にメッセージ性のある画像を挿入することを言い、潜在意識に働きかける手法のことをいいます。
結論から言うと『パルプ・フィクション』の映像の中に映画の内容と関係のない画像を挿入するという行為は考えにくいです。
その理由に、現在ではサブリミナル映像は”視聴者が認識できない映像を挿入することは公共の利益に反し、倫理的にも好ましくない”という理由から日本では1995年に、米国では1973年にすでに禁止されているからです。
これは意識されない広告効果を狙ったものですが、関係のない画像を盛り込むことで自分達に都合の良い行動を起こさせたいという行為が、いわゆる洗脳行為に近いということで禁止なったのです。
このことから、映画の中にサブリミナル効果を狙った画像の挿入は考えにくいのです。
では『パルプ・フィクション』の中で出てきたと言われる「赤い画面」は、禁止されているサブリミナル映像だったのでしょうか。映画のどの辺りなのかだけでも分かれば、もっと注意深く確認するのですが、制作スタッフに確認してみない限り真相はわかりません。
『パルプ・フィクション』を彩る「赤」のサブリミナル効果とは?
サブリミナル映像の挿入は禁止されていますが、潜在意識にメッセージを刷り込むサブリミナル効果を使ったものは存在します。
サブリミナル効果には色の持つ心理効果を利用したものがあり『パルプ・フィクション』の中では「赤」を使うことで、サブリミナル効果が使われています。
サブリミナル効果がわかる
- 映画のイメージを伝える「タイトル」
- 交感神経を刺激する「血の赤」
について詳しく見ていきましょう。
映画のイメージを伝える「タイトル」
黄色の文字に赤の背景、これは色の持つ心理効果を利用し、私たちにこの映画のイメージを伝えています。
黄色で希望や明るさ、ポップな感じを表し、背景の赤でアグレッシブ感を出すことでタイトルの存在感を出し、映画への期待感を持たせています。
ポスターを見ただけで興奮と刺激を味わえる、そんな映画なんだと潜在意識に働きかけているように思います。
交感神経を刺激する「血の赤」
「赤」には交換神経を刺激する効果があります。
「赤」は血液や肉の色のため、人間は本能的に赤に反応してしまいます。それは赤が「命を表す色」と言われているからです。
この映画は暴力的なシーンがたくさんあります。血まみれになるシーンも多いです。穏やかな雑談の会話のシーンとの差を「血の赤」を使うことでメリハリを出し、見るものを引きつけているのではないでしょうか。
引用元:スターチャンネルEX
その他にも映画の中でミアがオーバードーズした際に鼻血が出ていたり、ビンセントがレストランで生焼けのステーキを頼むシーンがあります。
映画の中の「赤」はミアの口紅やネイル、鼻血が目に入りますが、レアのステーキは映像で見たわけではありません。ですが想像で「血の赤」を連想させられます。
巧みな演出で「赤」を使い、期待感やアグレッシブ感を出しています。だからこそ、この映画を見ていると交感神経が刺激され、ゾクゾクするような感覚があるのはないでしょうか。
まとめ
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
今回の気になる疑問の「サブリミナル」「赤い画面」ですが、
- サブリミナル映像かもしれないと思われた「赤い画面」の挿入は禁止されている。
- サブリミナル効果は映画の中では、色の心理効果が使われている。
と言うことになります。
どうでしょうか。私の「気になる」がお役に立てれば幸いです。