引用元:Amazon
1995年デヴィット・フィンチャー監督により公開された映画『セブン』。キリスト教の七つの大罪になぞられた猟奇殺人事件を描いた作品で、公開から25年経った今でも記憶に残る名作だと言われています。
この映画はラストのためにある映画だと言われており、そのラストの展開に衝撃を受けます。
今回はこのサスペンス・スリラーの代表作とも言える『セブン』の中で、
- ラストで使われたサブリミナルとは?
- ラストの画像以外にサブリミナル効果が使われているのか
について、ネタバレありで解説していきます。『セブン』のラストに衝撃を受けたという方は、ぜひこのまま読み進めてみてくださいね。
目次
ラストに向かうための『セブン』のシナリオ
衝撃のラストを迎える『セブン』ですが、ラストに向かうためのシナリオが犯人の計画によって始まります。
引用元:CINEMORE
野心家の若手刑事と引退間近のベテラン刑事がひとつの事件に遭遇します。あまりに猟奇的な事件現場と犯人の綿密に練られた計画に翻弄されながらも2人は事件を追いかけます。
やがて、この事件を解く糸口がキリスト教の七つの大罪だとベテラン刑事のサマセットが気付きます。あらゆる手を尽くし犯人に迫りました。ここで犯人の計画が変更されます。1年以上前から綿密に計画し、実行されていたにも関わらず、二つの罪を完成させるため若手刑事のミルズが犯人によって選ばれたのです。
サマセットもミルズも現場に残されたヒントを犯人に誘導されているとは知らずに、毎日発覚する猟奇的な現場についていくのが精一杯でした。
自首をしてきた犯人に、なんの目的があるのかと考えますが犯人を異常者だと思っているミルズ達には犯人の意図が分かりません。
七つの大罪を完成させるため、犯人はミルズとサマセットに二つの死体の隠し場所を教えるから同行しろと提案してきます。もちろんこれは罪を完成させるための駆け引きでした。犯人は弁護士を使い、この事件は精神障害が成立するとミルズ達を脅迫までし、言葉巧みにミルズ達を誘います。
事件を立証したいミルズとサマセットは、犯人の目的も分からず言われるがままにラストシーンの荒野に向かうのです。
『セブン』のラストで一瞬見えたサブリミナル画像とは?
引用元:CINEMORE
急に出てくる画像にびっくりしますが、この画像がサブリミナルのようだと言われています。そう言われていますが、ラストで一瞬映る画像は目に見えた時点でサブリミナル画像ではありません。
なぜなら、認識された時点でサブリミナルとは言わないからです。
サブリミナル画像とは、目に見えるか見えないかギリギリの速度で映像を挟み、特定の行動を促すための手法のことを言い、現在では使用を禁止されています。
では、この画像は何だったのでしょうか。
サブリミナル画像のような手法で、私たちにミルズの頭の中によぎったトレーシーの顔を映像として見せたのです。
引き金を引くか引かないか葛藤していたミルズですが、殺された妻の顔がよぎった瞬間迷うことなく、冷静に犯人の頭を撃ちました。
『セブン』のラストに使われたサブリミナル効果とは?
『セブン』のラストには実は別のサブリミナル効果があります。
サブリミナル効果とは潜在意識に刺激を与え影響を及ぼす効果の事を言い、日常的によく目にする効果です。
https://twitter.com/chiyomik1/status/1435748851957178369
ラストシーンに届けられる、この箱の中身も話題になりました。実はこの「箱の中身」こそ、サブリミナル効果なのです。箱の中身は映像にはなっていませんが、犯人の供述やサマセットの表情から、ミルズの妻のトレーシーの首であることが想像できます。
あえて映像にはせず見ている人には想像でハッキリ見えるという映画の表現が称賛されたのです。
『セブン』のラスト以外に作品中にサブリミナル効果が使われたところは?
ラスト以外に『セブン』にはサブリミナル効果が使われているところがいくつかあります。
作品中の
- 映画のタイトル
- 七つの大罪
のサブリミナル効果について見ていきましょう。
映画のタイトル「SE7EN」
引用元:Amazon
この映画は「7」という数字が重要なキーワードになっています。だからこそタイトルにもアルファベットの中に数字の「7」を入れ私たちの視覚に焼き付けているのです。
七つの大罪
SE7ENは七つの大罪になぞられた猟奇的殺人事件を描いた映画です。ここでも「7」という数字を私たちの潜在意識に刷り込んできています。
七つの大罪とは、キリスト教では罪の根源とされています。
その罪とは、「嫉妬」「傲慢(ごうまん)」「怠惰(たいだ)」「憤怒(ふんど)」「強欲」「色欲」「暴食」の7つです。
映画の中でもこれに当てはまる人がそれぞれ犯人のターゲットになり被害にあっています。犯人によって綿密に計画され、事件になるようなこともなく1年も前から計画は実行されています。始まりの「Monday」から7日間で完成されるように計算してあり、事件は犯人の思惑通りに進んで行くのです。
サブリミナル効果が使われた『セブン』のラストの世間の反応は?
映画を見ていなくても『セブン』のラストは知っていると言われるくらい、ラストが有名です。どんな世間の反応があるのか見ていきましょう。
この写真は人生最大のトラウマ映画!「セブン」!ラストの衝撃が今でも残ってる!映画では題名を「Se7en」って書いてた。この時のブラッド・ピットがどの作品よりも一番カッコイイ! https://t.co/3IMcG9a0YT
— kirin (@kirin90495163) October 29, 2017
出演したグウィネス・パルトローがパロディにして再現しています。映画では見れないシーンです。
映画『セブン』のラストの箱の中身って映ってないのに「見た」っていう人が多くて、その描写が皆似ているので、監督さんが驚いたことがあるんだよとハハに話したら、「え…中味映ってたよね…あれ?」と言っていた。やはり『見た』気になるひといるんだな。
— 玉川数 『里山奇談』各巻よしなに。 (@tamazzo) June 12, 2012
実際に映画には箱の中身は映っていませんが、見た気になっていると言うのがサブリミナル効果なのでしょうね。
ブラッド・ピットが、自身の演技の中での最高の演技は映画「セブン」のラストだといっていた。確かにあの映画は度肝を抜かれたはじめての映画だった。もう見たくないと思うほど恐ろしかった。
— M.IKE (@ikechann1) September 21, 2012
一瞬映る映像には本当に目を疑いますし、怖さもあります。あの画像がサブリミナルを使った手法だと分かると、その後の行動や展開に納得です。
まとめ
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
今回は『セブン』のラストでサブリミナルが使われていたのかを解説していきました。
- 『セブン』のラストで一瞬映った画像は妻トレーシーの顔だった。
- サブリミナルと言われた画像は、サブリミナル画像の手法を使った映像の1部だった。
- タイトル、数字の「7」、箱の中身もサブリミナル効果があった。
サブリミナル効果を狙った手法は映画の中にいくつもあり、その効果は私たちに自然に刷り込まれ、衝撃的な映画として記憶に残しました。
こうしてサブリミナル効果のことを知って映画を見るとまた違う楽しみ方がありますね。