引用:メデイアポ
サブリミナル効果を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
これには、私たちが普段意識している「顕在意識」と、認識できない「潜在意識」(無意識とも呼ばれる)という領域が存在しています。
顕在意識と潜在意識の境界領域に非常に短い時間や小さい刺激を与え、それが人々の潜在意識に影響を与える心理的な効果がサブリミナル効果です。
「サブリミナル効果は知っているけれど、現在は使われているの?」
「禁止されているって聞いてるけどなぜ?」
「サブリミナル効果が禁止された理由は?」
と気になりますよね。
今回はサブリミナル効果の
- 禁止されている状況
- 禁止された驚きの理由
- 使用できていた例
を中心に紹介していきます。
目次
サブリミナル効果は禁止されている
公共の利益を守り、人をだます行為を避けるために、サブリミナル効果の手法を用いた映像や表現は現在、禁止されています。
1990年代においてはサブリミナル効果に対して懐疑的な見方が一般的でした。
しかし、2000年代に入ると、「特定の条件下で影響がある可能性がある」という研究結果が登場し、現在も完全な否定はされていない状況です。
アメリカでは1974年にはサブリミナル広告が公共の福祉に反するとして禁止され、日本でも1995年9月26日にNHKが、1999年に日本民間放送連盟が、放送局や番組それぞれの基準でサブリミナル的手法を使った映像や表現を禁止にしました。
【サブリミナル】
いわゆるサブリミナル技法のように通常の状態では知覚、識別できない表現技法で視聴者の潜在意識に働きかける放送はしてはならない。
引用:NHK放送ガイドライン
これらの措置は、サブリミナル効果を利用した広告が不正確で嘘であると見なされ、視聴者や聴衆の権利や信頼性を保護するために実施されています。
サブリミナル効果が禁止された驚きの理由
サブリミナル効果が禁止されている驚きの理由について、
- 特定の条件があるが効果がある
- 消費者の行動を操る、不当な手段
- 洗脳への恐怖
の3つの理由があります。
理由1「特定の条件があるが効果がある」
サブリナ効果は特定の条件があるが効果があるとされています。
サブリミナル効果は、様々な実験が行われてきましたが、信憑性のある実験は1900年代まではなかったようですね。
しかし、2000年代に入ると、特定の条件下で影響がある可能性があるという研究結果が得られています。
特定の条件があるが効果があるとされた実験
2000年代の実験では、特定の条件下ではあるがサブリミナル効果が確認されました。
ジェームズ・ヴィカリーの実験では、「コーラ」や「ポップコーン」といった単語を提示しても効果が見られません。
しかし、「リプトンアイス」というブランドの単語を提示すると、サブリミナル効果が見られました。
実験結果によれば、瞬間的に単語を提示した後、被験者は飲み物を選ぶ際にリプトンアイスを選ぶ傾向が現れています。
特に、リプトンアイスを選んだ人々は、そのブランドが好きであるが頻繁には摂取していない状態で、かつ喉が渇いていたという条件でした。
その他にも、被験者に疲労がたまっているほど、サブリミナル効果を受けやすいという結果が得られています。
つまり、限られた条件下ではあるものの、サブリミナル効果が影響を及ぼす可能性があることが示されていますね。
そのため、サブリミナル効果が完全に否定されていないので、いまだに使用が禁止されている可能性があります。
理由2「消費者の行動を操る、不当な手段」
引用:Amazon
サブリミナル効果は、広く認識されているように、人々の潜在意識に影響を与え、それが後に行動に結びつくと認識されています。
サブリミナル効果に関する議論が広まると、視聴者は広告やメディアを見る際に、「この商品を購入しよう」という意図的な誘導があるのではないかと考えるようになります。
意図的な誘導があるのではないかと考えられた理由として、サブリミナル効果が広まった経緯にありますね。
広まったきっかけ
1897年にアメリカの心理学者エドワード・ウィーラー・スクリプチャーが自身の著書「THE NEW PSYCHOLOGY」でサブリミナル効果の原理を解説したのが最初です。
その後1900年に別の心理学者が知覚心理実験を行い、錯視の判断に影響が生じることが示されました。
そして、アメリカの心理学者であるハリー・レヴィー・ホリングワースが雑誌で、広告宣伝においてサブリミナル効果は有用であると発表したことにより、この効果が広く知られるようになりましたね。
またそれほど、サブリミナル効果が有名ではない時に日本のテレビ放送では、広告ではありませんが視聴者が気付かないような映像がアニメやバラエティ番組に製作スタッフの遊び心で挿入されることがありました。
これには、「シティーハンター3」や「マネーの虎」などがありましたが、サブリミナル効果が有名になった後にメディアで取り上げられ、消費者の行動を操る、不正な手段ではないかと問題とされましたね。
最近では、サブリミナル効果の映像であることをあらかじめ告知し、視聴者の了承を得た上で使用するといった方法が見られます。
サブリミナル効果を利用し商品やサービスを宣伝することは、消費者の行動を操る、不正な手段とみなされるようになりましたね。
理由3「洗脳への恐怖」
一般的には、サブリミナル効果には強い洗脳は出来ないという認識が広まっておらず、サブリミナル=洗脳という先入観を持つ人が存在する可能性が考えられます。
その理由として、1990年代後半、オウム真理教の事件が関係していると考えられています。
1990年代後半、オウム真理教の事件
オウム真理教は独自のメディアを通じて広告や宣伝を行っており、一部でサブリミナル効果を使用していたとの疑いが浮上しましたね。
この宗教団体は信者に対して洗脳行為を行っており、その手法の一環としてサブリミナル効果が使われていたことが指摘されています。
これが日本国内で大きな議論を引き起こし、一般の人々の間でサブリミナル効果に警戒感が広がりました。
この事件をきっかけに、日本ではサブリミナル効果を利用した映像や表現が公共の安全を考慮して規制され、禁止されるようになりましたね。
現在でも、視聴者の安全や公共の利益を保護するために、サブリミナル効果を利用した広告やメディア表現には厳しい規制が敷かれています。
このようなことから、サブリミナル効果に対する疑念が広まり、「映画やドラマ、広告を視聴することで洗脳されるのではないか」といった不安が残ってしまっています。
そのため、まだサブリミナル効果は禁止されている可能性がありますね。
サブリミナル効果が例外で使用できていた?
日本のパチンコ業界では2000年から2015年まで、サブリミナル効果に似た「大当たりをしたときの映像を流す」演出が特許として認められ、実際に利用されていました。
この演出は、プレイヤーが当たりを諦めきれずに長くプレイし続ける効果を狙っていますね。
具体的には、外れが続いた後に当たったときの映像を表示することで、プレイヤーに「もうちょっとやってみよう」という気持ちを起こさせる仕組みです。
しかしこれは、無意識への働きかけではなく、プレイヤーが明確に認識できる映像でした。
そのため、これはサブリミナル効果ではなく、「幸福になりたいと期待する気持ちを煽る演出」として位置づけられますね。
この演出はプレイヤーにギャンブルを続ける意欲を促す手法と言えます。
この特許が認められた背景には、サブリミナル効果ではない単なる幸運の瞬間を強調する手法としての側面があるようです。
まとめ
サブリミナル効果は禁止されてる?その理由について
- テレビ番組などでの使用は様々な理由から禁止・制限されている
- アメリカでは1974年、日本では1995年NHK、1999年日本民間放送連盟で禁止されている
- 特定の限定的な条件下では効果が確認されている
- 広告宣伝などでの使用が有用とされ消費者の行動を操る、不正な手段であるとされている
- サブリミナル効果=洗脳のイメージがある
- 厳密にはサブリミナル効果ではないが例外的に認められていた
をお伝えしてきました。
サブリミナル効果を試す際は、個人的な実験として楽しむ範囲にとどめてくださいね。